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ガンの110番
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体をつくるのは食物から得られる栄養素であり、自然治癒力の源も栄養素です。
食物の摂取と栄養素の消化吸収が十分でなければ、体の治癒力も抵抗力も十分働くことができません。

食物の栄養物質を体に同化させ、体を動かすエネルギー源に効率良く変換するためには、多くの臓器や組織が調和をもって正常に働くことが必要で、とくに、食欲や消化吸収機能を高めることが自然治癒力を向上・活性化する基本になります。

食欲というのは美味しそうな食べ物を見たり、その匂いを嗅いだり、味わってみることにより出てきます。
食欲増進剤というのは味覚・嗅覚を刺激して食欲を高め、唾液や胃液の分泌を促進し、消化吸収機能を高める薬物で、苦味剤や芳香剤などがあります。

・苦味剤は、舌の味覚器に作用して反射性に唾液、胃液の分泌を刺激し、さらに胃の分泌細胞にも作用して胃液分泌を促進し、食欲と消化機能を高める薬物です。
生薬の黄連や黄柏には苦味健胃作用があり、唾液・胃液・膵液・胆汁の分泌を軽度に高め胃腸運動を亢進させる作用から食欲を増進します。

・芳香剤の生薬には桂皮、茴香、薄荷などがあり、これらは胃粘膜を刺激して胃液分泌を亢進させる作用があります。陳皮はみかんの皮であり、みかんの皮は胃の働きを高め、食べ物の滞りをなくす働きに優れており、食欲不振の治療薬として昔から活用されてきました。
生姜の独特の香りは料理に風味をあたえ、食欲を増進させる働きをもっています。生姜の辛みの成分には、吐き気を抑えて食欲を増進させる効果があります。

体力や免疫力が高まると食欲が増すという報告があります。
ガンの末期などで極度の疲労・倦怠感がある場合に、補中益気湯や十全大補湯のような補剤を服用すると、食欲不振や全身倦怠感などが軽減する場合があります。

蘇葉(シソの葉)は、独特の香りにより胃液の分泌を促し、食欲を増進させるほか、胃や腸の働きをよくする作用があります。
また神経症や不眠症を治す作用もあるので、精神的ストレスによって食欲不振になっている人に適します。

薬用人参は種々のストレスに対する抵抗力や適応能力を高め、虚弱体質や疲労が激しいときの食欲増進と滋養強壮に有効です。
このように食欲不振の原因に合わせて、それに合った生薬や漢方薬を使用することにより、より効果的に食欲を高めることができます。

西洋医学では栄養物質の消化吸収機能を、胃・小腸・大腸・肝臓・胆嚢・膵臓など解剖学的に分けて考えますが、漢方医学では栄養物の消化吸収という全体像を統一的にとらえて、「脾」という概念で表現します。
東洋医学でいう「脾」は西洋医学の「脾臓(spleen)」とは異なります。

漢方医学でいう「脾」は主に消化器系の機能を指すとともに、免疫・神経・内分泌なども含めて、食物から栄養物質を取り出し、全身の臓器に輸送して体に同化させる機能やシステムのすべてを意味しています。


「がんサポート情報センター」より一部抜粋、編集




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